SPECIAL
TRAILER
INTRODUCTION
本作『まともな男』で絶賛を浴びた映画監督・脚本家、ミヒャ・レビンスキー氏。2005年『Herr Goldstein』で監督デビューを果たし、ロカルノ国際映画祭で金豹賞など多くの賞を受賞。2008年には、初めての長編作品である『Der Freund』で、スイス映画賞作品賞に輝き、アカデミー外国語映画賞にも出品された。2010年の『Will You Marry Us?』は、スイスとドイツで16万人を動員する大ヒットとなる。そして2016年、本作『まともな男』ではスイス映画賞最優秀脚本賞を受賞。数々の賞に輝き、高い評価を得ていながら、日本ではこれまで劇場公開が果たされていなかった。そんなレビンスキー監督の珠玉の作品が、ついに日本で初公開される。
本作の舞台はスイスのアルプス。スイスのアルプスと聞くと、どこか牧歌的なイメージを思い浮かべるかもしれない。しかし、本作の舞台となる雪山は、本作で繰り広げられる人間模様を象徴しているかのように冷たく立ちはだかっている。私たちが抱いているアルプスのイメージを、大いに裏切ってくれる。
「ミヒャ・レビンスキーの、嫌で、小さな、素晴らしい作品」「完全に調和したスキーの滑走のよう」「最高の映画だ!」と各紙に言わしめた本作。衝撃の結末に、私たち観客は心を揺さぶられずにはいられないだろう。
STORY
壮麗な雪山で続いてゆく負の連鎖―
壮麗な雪山で続いてゆく負の連鎖―
中年会社員のトーマスは、休暇に家族とスキー旅行に向かった。しかし、妻とは長く倦怠期が続いており、娘は反抗期。成り行きで上司の娘であるザラも連れて行くことになる。コテージに到着後、娘たちは地元の青年セヴェリンに誘われてパーティーに出かける。迎えにきたトーマスが目にしたのは、街角で悲痛に暮れるザラの姿だった。彼女はセヴェリンにレイプされたと告白する。保護者として事態の収拾にあたるトーマスは、穏便に済ませようと小さなウソを重ねていくが、彼を取り巻く状況はゆっくりと混沌へ向かってゆく─。
偽善的な行動、自己保身、事なかれ主義──人間関係のあらゆる不和に目を背けることなく描き出した巧みな脚本。そこに役者陣の確かな演技が加わり、本国スイスでは数々の映画賞を受賞し、絶賛を博した。この物語で描かれているのは、決して異常な人間ではない。どこにでもいる、いたって普通の“まともな人間”なのだ。心を揺さぶる衝撃の結末に、私たち観客は何を思うのか。
CAST
デーヴィト・シュトリーゾフ
-トーマス
1973年リューゲン島に生まれる。ドイツで極めて人気の高い役者のひとり。レイナー・カウフマン、トム・ティクヴァ、ドミニク・グラフ、オリヴァー・ヒルシュビーゲル、ステファン・ルツォヴィツキー、クリスティアン・ペッツォルト、ハンズ・クリスチャン・シュミットなど名立たる映画監督とタッグを組んできた。受賞作品も複数あり、2013年以降の『タートオルト』では、警部のイェンツ・シュテルブリック役を演じた。『まともな男』のほかに、ハーペイ・カアーケリング原作の『Ich bin dann mal weg』でも主演を務めている。
2015 『まともな男』 監督:ミヒャ・レビンスキー
2015 『Ich bin dann mal weg』 監督:ジュリア・ボン・ヘインズ
2010 『Drei』 監督:トム・ティクヴァ
2007 『ヒトラーの贋札』 監督:ステファン・ルツォヴィツキー
2007 『Yella』 監督:クリスティアン・ペッツォルト
2004 『ヒトラー ~最期の12日間~』 監督:オリヴァー・ヒルシュビーゲル
2003 『Lichter』 監督:ハンズ・クリスチャン・シュミット
2000 『Kalt ist der Abendhauch』 監督:レイナー・カウフマン
マレン・エッゲルト
–マルティナ
1974年ハンブルクに生まれる。ミュンヘンのオットー・ファルケンベルグ演劇学校で学び、チューリヒやボーフム、ハンブルクのタリア劇場などで経験を積んだ。『タートオルト』のフリーダ・ジャング役で一躍有名になる。2009年よりドイツ座にアンサンブルとして所属している。 本作でスイス映画賞主演女優賞にノミネート。
2015 『まともな男』 監督:ミヒャ・レビンスキー
2013 『Eltern』 監督:ローベルト・タールハイム
2003-2010 『タートオルト(犯行現場)』(テレビ映画/シリーズ) 監督:複数
2001 『es[エス]』 監督:オリヴァー・ヒルシュビーゲル
1997 『Die Apothekerin』 監督:レイナー・カウフマン
ロッテ・ベッカー
–ジェニー
1999年生まれ。中等学校までをケルンで過ごす。学生の頃から舞台に上がり、経験を積む。複数の劇団にも所属しており、撮影を担当した作品もある。
2015 『まともな男』 監督:ミヒャ・レビンスキー
2014 『Besser als du』(テレビ映画) 監督:イザベル・クレーフェルト
2013 『Wilsberg』(テレビ映画/シリーズ) 監督:ドミニク・ミュラー
2011 『Der letzte schöne Tag』(テレビ映画) 監督: ヨハネス・ファブリック
2008 『Kommissar Stolberg』(テレビ番組) 監督:ウーリ・ゼナー
アニーナ・ヴァルト
–ザラ
1996年生まれ。チューリヒのオーバーリーデン出身で、2015年の夏にチューリヒにあるフロイデンベルク高校を卒業。学生の時にシャウ・シュピールハウス・チューリヒの舞台に立った経験がある。スイス版の『タートオルト』でも類まれなる才能を発揮している。
2015 『まともな男』 監督:ミヒャ・レビンスキー
2015 『Amateur Teens』 監督:ニクラス・ヒルバ
2014 『タートオルト』(テレビ映画/シリーズ) 監督: マイク・シェーラー
マックス・フバッヒャー
–セヴェリン
1993年ベルンに生まれる。幼少期に舞台に立った経験が役者を目指すきっかけとなる。2007年ベルンのシュラスタウス劇場のユースシアター団員となる。2009年の『Bold Heroes』で映画デビュー。2012年に『The Foster Boy』で主演俳優賞を受賞。2014年10月より、ライプツィヒの演劇学校に通っている。
2015 『まともな男』 監督:ミヒャ・レビンスキー
2013 『Driften』 監督:カリム・パトワ
2012 『リスボンに誘われて』 監督:ビレ・アウグスト
2011 『The Foster Boy』 監督:マーカス・インボーデン
2010 『Bold Heroes』 監督:マイク・シェーラー
ステファヌ・メーダー
–セヴェリンの父親
1961年ローザンヌに生まれる。チューリヒの演劇学校で学び、1985年にエーミール・オープレヒト賞を受賞した。映画やテレビの出演だけでなく、劇場でも活動を行っている。ベルリンのシャウビューネ劇場やケルンのシャウ・シュピールハウス劇場、シュヴェリーンのメクレンブルク劇場などで活動している。2012年より、ベルン市立劇場にアンサンブルとして所属している。
2015 『まともな男』 監督:ミヒャ・レビンスキー
2010 『Heiraten ist auch keine Lösung』(テレビ映画) 監督:ジビル・ターフ
2009 『Songs of Love and Hate』 監督:カタリン・ガダラス
2004 『Schönes Wochenende』(テレビ映画) 監督:ペター・ボルペ
2003 『Polizeiruf 110 – Dumm wie Brot』(テレビ映画/シリーズ) 監督:カイ・ウェッセル
ビート・マルティ
–ザラの父親
1972年クールに生まれる。チューリヒの演劇学校で学び、1995年にグラウビュンデン州より文化賞を授与している。ドイツやスイスの映画・テレビに出演している。初主演は『I Was A Swiss Banker』で、2007年にベルリン国際映画祭で上映されている。同作品でスイス映画賞の主演俳優賞にノミネートされた。
2015 『まともな男』 監督:ミヒャ・レビンスキー
2014 『Akte Grüninger』 監督:アラン・グスポーナー
2012 『Der Teufel von Mailand』(テレビ映画) 監督:マーカス・ウェルター
2010 『The Day of the Cat』 監督:ウルフギャング・パンツァー
2009 『Will You Marry Us?』 監督:ミヒャ・レビンスキー
2007 『I Was A Swiss Banker』 監督:トーマス・インバ
STAFF
ミヒャ・レビンスキー
–脚本・監督
1972年ドイツのカッセルで生まれ、スイスのチューリヒで育つ。中等教育卒業後、学業と両立しながら、フリーランスのジャーナリスト、編集者、音楽家として活動する。監督としてデビューする以前に脚本家としても成功している。2005年『Herr Goldstein』で監督デビューを果たし、ロカルノ国際映画祭で金豹賞など多くの賞を受賞した。2008年、初めての長編作品である『Der Freund』は海外でも賞を受賞し、スイス映画賞では作品賞に輝いている。また、同作品はアカデミー賞にも出品された。2010年、その次の作品である『Will You Marry Us?』はスイスとドイツで16万人を動員する大成功を収めた。2016年にはスイス映画賞において、本作『まともな男』で最優秀脚本賞を受賞した。
◆担当作品(抜粋)
2015 『まともな男』 脚本/監督
2009 『Will You Marry Us?』 脚本/監督
2008 『Der Freund』 脚本/監督
2005 『Herr Goldstein』 脚本/監督
2005 『Lago Mio』(テレビ映画、監督: ジャン・プレウス) 脚本
2004 『Sternenberg』(監督: クリストフ・シャウブ) 脚本
2003 『Little Girl Blue』(監督: アンナ・ルイフ) 脚本
2002 『Weihnachten』(テレビ映画、監督: マーク・アンドレアス・ボーチャート) 脚本
◆受賞歴(抜粋)
2010 『Will You Marry Us?』 – 批評家賞(カルロヴィ・ヴァリ国際映画祭)
2010 『Will You Marry Us?』 – 女優賞(スイス映画賞)
2009 『Will You Marry Us?』 – 主演女優賞(モントリオール世界映画祭)
2009 『Der Freund』 – 最優秀長編作品賞(シネクエスト映画祭)
2009 『Der Freund』 – アカデミー賞外国語映画賞出品作
2008 『Der Freund』 – 作品賞(スイス映画賞)/長編映画賞(チューリヒ映画祭)
2005 『Herr Goldstein』 – 金豹賞及びユース審査員賞(ロカルノ国際映画賞)
ピエール・メネル
–撮影
1995年、チューリヒ芸術大学映画コースを卒業。以降、数多くの長編作品、ドキュメンタリー作品を手掛ける。本作品以前からレビンスキーとタッグを組んできた。チューリヒ芸術大学でカメラワークを教えている。
◆担当作品(抜粋)
2015 『まともな男』 監督:ミヒャ・レビンスキー
2012 『Nebelgrind』(テレビ映画) 監督:バーバラ・クルクザー
2012 『Balkan Melody』(長編ドキュメンタリー) 監督:ステファン・シュウィーバート
2010 『Hugo Koblet – Pédaleur de charme』
(長編ドキュメンタリー) 監督:ダニエル・V・アールブルク
2009 『Will You Marry Us?』 監督:ミヒャ・レビンスキー
2009 『ペパーミンタ』 監督:ピピロッティ・リスト
2008 『Der Freund』 監督:ミヒャ・レビンスキー
2008 『No More Smoke Signals』(ドキュメンタリー) 監督:ファニー・ボーニング
2007 『No Return – Studer’s Latest Case』(テレビ映画) 監督:サビーン・ボス
◆受賞歴
2009 カメラマンとして、チューリヒ及びスイスの映画産業への貢献を称えられる
1999 パフォーマンス賞(HGKチューリヒ)
脚本:ミヒャ・レビンスキー
監督:ミヒャ・レビンスキー
製作:HC・フォーゲル
撮影:ピエール・メネル
美術:ピーター・シェアツ
衣裳:アンゲリカ・ゲッツ
メイク:ミレナ・プライデレル
音響:ヤン・イリン
編集:ジョン=レト・キラス
音響編集:ペーター・ブレーカー
音楽:マルセル・ブラッティ
キャスティング:カトリン・ベッサート
助監督:コジマ・ファイ
スクリプター:ジュリア・ヒンタミューラ
照明:ラファエル・トエル
撮影助手:トマス・カドルボスキー
キーグリップ:ニク・デレイ
装飾:マードライナ・カパット
プロダクション・マネージャー:アミンタルセッピ
ロケーション・マネージャー:ペータ・ウィルド
カラーグレーディング:オーガー・ザマ
視覚効果:ザラ・ガベル
主題歌:ハイディ・ハッピー
リレコーディング・ミキサー:ミカエル・カツマレク
COMMENT
THEATER
新宿K’scinema 上映終了
下北沢トリウッド 上映終了
宇都宮ヒカリ座 上映終了
Cafeガシマシネマ 上映終了
高田世界館 上映終了
大阪シネ・ヌーヴォ 上映終了
神戸アートビレッジセンター 上映終了
パルシネマしんこうえん 上映終了
詳しい上映スケジュールに関しては、公開劇場のホームページをご確認下さい。
監督・脚本:ミヒャ・レビンスキー 主演:デーヴィト・シュトリーゾフ(『ヒトラーの贋札』2007年、『厨房で逢いましょう』2006年)
2015年/スイス/原題:Nichts Passiert/ドイツ語/カラー/シネスコ/5.1ch/92分/日本語字幕:二階堂峻/配給:カルチュアルライフ/後援:スイス大使館